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後期研修プログラム

本教室のコンセプト ~学ぶ・極める・伝える~



研修システムと特徴

北海道大学病院を基幹施設とし、多数の連携施設・関連施設で実施されます。
脳神経外科全領域を網羅し、多くの症例経験から幅広い知識と診療能力の取得を目指します。
個人の希望や特性に応じたオプションやバリエーションがあります。

プログラムの概要

コースの全体像

本コースは、日本脳神経外科学会「新規脳神経外科専門医制度」に基づいて行われます。北海道大学のコースは、全国でも屈指の症例数(年間手術件数4500件)を、基幹施設である北海道大学病院と12の連携施設と10の関連施設において運用されています。

脳神経外科は、脳卒中や外傷といった救急救命に携わる救急疾患、脳腫瘍、てんかんやパーキンソン病などの機能的脳疾患、脊髄・脊椎疾患、小児脳神経外科など非常に広い領域をカバーし、新専門医制度でも19の基本診療科の一つに入っております。本コースでは、これらのすべてについてバランス良く臨床経験が積めるように策定されています。

北海道大学脳神経外科の特徴は、米国式チーフレジデント制度です。6年目のチーフレジデントを中心に、3年目までの4-6人前後が大学病院において、手術・患者管理・カンファレンス準備等を「屋根瓦式」に指導します。同世代の仲間と同じ釜の飯を食いながら一日中仕事をすることによって、強烈なライバル心と強い絆が得られます。他大学の教授に就任された先生を祝うために20年経ってその当時のメンバーが集い昔話に花を咲かせたり、○○チーフチームとしてずっと家族ぐるみのつきあいが続いたりしています。

 

コースの概要

最初の半年
専門領域への導入として、北大病院で研修を開始し、基礎的知識や診療技術をチーフレジデント(6年目)の指導の下、徹底的にトレーニングします(病棟班といいます)。初期臨床研修に引き続いて同じ施設で研修を開始したい場合には、適宜希望に添えるよう調整します。また入局の人数が非常に多い場合には最初に、連携施設でのトレーニングを先行する場合もあります。

その後の1年間
半年間の基礎的トレーニングが終わると、多くは1年間、連携施設(外病院といいます)において、実践的実地診療を開始します。連携施設は複数の脳神経外科指導医のもと、本格的な手術の執刀などを初めて経験します。どこの外病院でトレーニングを受けるかは、全ての研修医が集まる研修医医師会にて決定します。希望がかぶった場合などにはじゃんけん(!)で決まることもあります。

2回目の病棟班
1年間患者に寄り添い、必死に手術の勉強をして、ある程度の臨床スキル・経験を得た段階で、再び病棟班として大学にて半年間の研修を積むことが多いです。この際には、北海道中から集まる高難易度症例(巨大頭蓋底髄膜腫、巨大脳動脈瘤、小児先天奇形、抗がん剤治療など)を経験し、また脳神経外科研修を始めたばかりの3年目の指導も同時に行います。また大学教員(スタッフ)の指導の下、学会発表・論文作成なども行い、アカデミックトレーニングを積みます。

2回目の外病院
半年間の病棟班の後、再び連携施設にて本格的な手術トレーニングを行います。クリッピングやバイパス手術なども経験する機会が増え、多くの先生が初めて連携施設に出たときに比べ自分の成長を直に感じることが出来ると言われています。初めて全国学会で発表する機会もこの頃に来る人が多いです。

サブチーフ・チーフレジデント
1年間の手術トレーニングの後、病棟班サブチーフとして、チーフを支えながら大学病院での膨大な手術を経験し、その後、チーフレジデントを任されます。チーフレジデントは大学病院で行われる全ての手術・病棟業務を管理・運営し、高難易度手術も執刀から個々人の出来るところまでスタッフの指導の下経験していきます。半年間のチーフレジデントの間だけでも150例近い高難易度手術を経験することになります。それに合わせ、病棟班の指導や学会発表、他科との調整など担当する業務は膨大なもので、まさに寝る時間もないほど忙しく充実したものになります。チーフ修了式は全ての大学スタッフ・看護師等で盛大にその修了をお祝いするのも古くからの伝統です。またこのチーフ修了式で血管障害・脳腫瘍・脊髄機能外科のサブスペシャリティーグループ入りを宣言する人も多く、その後の大学院研究・留学・サブスペシャリティー専門医の資格取得などを相談する人も多いです。

専門医資格取得までのモデルケース

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プログラムの感想

 

 

『チーフレジデントシステム』
北海道大学医学部脳神経外科では、卒後7年目の専門医試験受験の前に、チーフレジデントという登竜門を経験します。私の場合は2つの市中病院と2回の大学病院を経験してからのチーフレジデント着任となりました。 基本的にそれまで臨床業務の枝葉末節に追われる生活でしたが、チーフレジデントは仕事内容が一変し、病棟全体に目を向け、さらには手術・入院に関わるマネジメントにも携わります。仕事内容も患者さん以外のスタッフとコミュニケーションをとる機会が増え、脳神経外科医の仕事を相対的に、より俯瞰して知ることができます。一方でチーフレジデントは基本的にすべての手術に参加し、手技や手術において求められる配分も増えます。特に脳腫瘍、血管障害、脊髄、機能外科と各分野横断的にそれぞれの先輩のそれぞれの考え方を通じて手術を学び、広い視野で手術を見ることができます。このように脳神経外科医という仕事に対してマクロに、ミクロに集中曝露されることにより、私は大きな成長の機会を得ることができたと思います。 専門医試験の勉強は当初、膨大でうんざりしてしまいますが、勉強を始めると研修中に諸先輩方、時には同期や後輩と話した内容が思い返されることが多く、研修が非常に網羅的だったことに驚きました。口頭試問で求められる踏み込んだ質問でも、日々の手術で求められる術前の検討や、手術中の会話、術後の考察を行っていたことが力になっていたことを実感しました。 専門医試験合格においても、一人前の脳神経外科医を目指すにおいても、この研修プログラムはよいスタートになるでしょう。
岡本迪成                
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『北大脳神経外科研修プログラムと専門医試験』
脳神経外科の専門医試験は、卒後7年目(初期研修終了後5年目)に受験資格が与えられます。初日の筆記試験に合格すると、翌日もしくは翌々日の口頭試問に進むことができます。どちらも各ジャンルの幅広い知識が要求され、研修施設によっては全く経験したことのないような疾患に関する問題もあると聞きますが、北大およびその関連施設で研修する中で、自然と多様な疾患の勉強ができていたのだと、専門医試験を通じて改めて実感しました。「大学のカンファレンスで鍛えられていれば大丈夫」という、歴代の先生の言葉を信じ、ほとんど無勉強で臨んだ口頭試問も、確かに毎週の総回診の延長であり、無事に合格することができました。日々の研修は大変かもしれませんが、まずは脳神経外科専門医になるという第一目標に向かって、毎日一歩ずつ成長できる研修プログラムだと思います。
髙宮 宗一朗
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『チーフレジデントを終えて』
私は、慈恵医大を卒業し初期研修の後に北大脳外科での後期研修を選択しました。北大の後期研修は、古くからチーフレジデント制度をとっております。その内容は後期研修4年間の間に半年から一年のローテーションで関連病院と大学病院にて勤務するもので、後期研修の締めくくりとして大学病院にてチーフレジデントを全うするものです。大学病院にて、腫瘍・血管障害・脊髄・機能・小児と多くの疾患を学び、関連病院にて脳外科のcommon diseaseの手術を数多く執刀し、チーフレジデントになる頃には脳外科一般における幅広い知識と技術を得ることができます。チーフレジデントとは後期研修医を束ね、大学病院での臨床において中心的な働きをする人物で非常に役割が多く責任も重いですが同時に多くの症例を経験することができ、困難な症例を執刀することができるようにまで成長します。私自身、チーフ終了時までに多くの血管障害の手術を執刀し、腫瘍や脊髄の症例も経験することができました。後期研修先を決める際に非常に悩んだ末、手術の美しさに惚れ込み北大脳外科に決めましたが、今では北大の伝統的なチーフレジデント制度を終了したことは私にとって大きな糧となっております。後期研修は、脳外科医の素地を形成するうえで非常に重要な期間だと思います。是非、我々と共に北大脳外科で後期研修をしましょう!お待ちしております。
医員:月花 正幸
tsukihana

 

「北大脳外科におけるチーフレジデント制度について」
医師6~7年目が担当する役職で、全員が経験します。任期は約半年です。レジデントを統括し、すべての入院患者および救急患者の対応など臨床面のみならず、検査や手術のアレンジなど実務面も含め多岐に渡る業務をこなします。基本的にすべての手術に参加し、重要なパートも任されます。手術含めた様々な臨床のシチュエーションを経験することができ、“一人の脳神経外科医として対応する力”が濃密に形成される時期でした。病院にいる時間は誰よりも長く苦労も絶えませんが、レジデントとともに“チームとして過ごす充実した時間”でもありました。何十年も続いている歴史が示すように、“優れた脳神経外科医の礎を形成する洗練されたシステム”であると感じています。
東海林 菊太郎  
               
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