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JSNET 専門医試験受験体験記(栗栖 宏多)

  • お知らせ
  • 2020年03月04日

JSNET 専門医試験受験体験記

 

旭川赤十字病院脳神経外科の栗栖です。この度、脳血管内治療学会専門医試験を受験し、なんとか合格することが出来ましたので、ご報告させていただきます。

 

私は20196月に米国での3年の研究留学から帰国し、現病院(旭川赤十字病院)に着任しました。3年ものブランクがあり多くの不安がありましたが、20202月に2次試験からの受験(再試験)に挑戦することとしました。研究留学期間中は、臨床からすっかり離れてしまっており、帰国時には脳血管内治療の記憶などはすっかり忘れてしまっていました。帰国後、まずは普通に臨床(脳卒中診療)を行い忘れてしまった記憶を呼び戻すことや、自施設で行われる血管内治療にはなるべく全て携わるように努め、試験の準備をしていきました。学会や研究会などは可能な範囲で参加させてもらい、最新の情報をupdateするように心がけました。特に脳血管内治療学会総会のCEP受講はもちろんのこと、市中病院勤務だと経験することの少ない硬膜動静脈瘻や脳動静脈奇形、腫瘍塞栓などのセッションに参加し、意識的に最近の動向やトレンドを知るのは非常に有益でした。

「試験勉強」は年末年始から開始しました。デバイスの知識に関しては実臨床だけですべてを網羅するのは困難でしたので、各業者さんにお願いしてデモンストレーションなどしていただきました。各業者さんには快くご対応いただき、大変感謝しております。臨床知識や座学などに関しては、過去2年分くらいのCEPや手持ちの教科書などを読み返し、忘れている点や自分の中であいまいに記憶している点などをノートに書きだして整理しました。

試験直前(年末から2月くらい)には札幌でいくつかのセミナーやハンズオン(北大や札幌医大などが主催)が開催されています。これらは、すべて出席するように病院にもご配慮いただきました。どのセミナーも専門医試験対策に主眼をおいて開催され(模擬試験形式のものもあります)、試験対策としてとても有用でした。また、私にとって非常に良かったのは、セミナーに参加し同時に受験する先生方(今年は北海道から10人くらいいたようです)と顔を合わせ、現在の勉強状況や試験に向けた対策などを話す機会があったことです。札幌圏外の地方病院に勤めている私にとって、多くの刺激になり、精神的なリラックスもでき、とても貴重な時間となりました。

 

試験直前は精神的にまったく落ち着けませんでしたが、教科書や参考資料を流し読みしながら試験までの時間を過ごしました。前日に神戸入りし、会場近くのホテルに1泊し試験に臨みました。受験要綱に「動きやすい服装」で試験との指示がありましたが、ゲンを担ぎ「正装(スーツ)」で臨むことしました。実際、試験会場では周りの先生方は全員正装であったことは言うまでもありません。

試験は諸先輩方のアドバイス通り、「自信をもって堂々と」臨もうと思っていました。しかし、実際には過度の緊張のため、まったく思い通りにふるまえませんでした。緊張のあまり「Yコネクター」という単語も口から出ず、「ハブのところ」などという意味不明な言葉を口走ってしまったり、試験官の先生に手元を凝視されているのを背中で感じ、手がプルプルとしてしまっていました。試験終了時には不合格が頭をよぎり、試験会場横の小規模な動物園の周りを意味なくとぼとぼと歩きまわったことを記憶しております。何とかたどり着いた神戸空港では、放心状態のまま北海道行きの飛行機を待ちました。結果発表まで荒んだ気持ちで過ごしましたが、幸い家族と一緒に過ごす事が出来、ストレスを和らげることが出来ました。今後受験される先生方には、試験終了後は速やかに帰還できるように手配し、穏やかに過ごされることを精神衛生上の観点から強くお勧めします。

非常に不安定な気持ちで結果発表を待っておりましたが、受験翌日の夜にはネットで無事「合格」を確認することができました。

 

最後に、これまで長きにわたりご指導いただきましたすべての先生方、また様々なサポートをしていただいた多くの方々に、この場をお借りして深く感謝申し上げたいと思います。今後、より一層貢献できるように精進したいと思います。

 

栗栖 宏多