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第19回脳血管内治療専門医試験 合格体験記(今井 哲秋)

  • お知らせ
  • 2020年05月29日

函館中央病院 脳神経外科所属、16年目の今井です。

2018年10月より、長期出張という形で北大に来させて頂き、約1年半の間、脳血管内治療指導医である長内先生の下で血管内治療の技術を学んできました。

その集大成と言える、血管内治療専門医試験が2020227日~29日、神戸で行われましたので、ご報告致します。

 

今年は新型コロナウイルスによる大混乱で多くの学会等が延期となる中、本試験の延期も危ぶまれましたが、何とか無事開催となりました。しかしながら「試験中は常にマスク着用」、「体調の悪い人は受験を中止すること」といったようなお達しがあり、厳戒態勢で行われることとなりました。

 

天候による飛行機の運休といった、万が一のトラブルを避けるため、2日前に神戸入り。ホテルは会場近くのポートピアホテルに泊まりました。試験前というだけでなく、体調を崩したら受験中止という恐怖から、コロナはもとより、鼻風邪でも引くとまずいということで、極力外出を控え、外出する際にも必ずマスクをつけるなど、とにかく気を使いました。神戸は暖かいのかな、と勝手に思っていましたが、天気が悪かったせいもあり、思いの外肌寒かったです。(北海道の比ではありませんが)

 

試験前日。基本的にホテルにこもり、ひたすら過去の再現問題等を繰り返しました。直前になって色々気になったことがあり、医療機器を扱う竹山の業者さんにメールで質問。すぐにご返答頂け、大変助かりました。

ベッドメイクの時間には気分転換も兼ねて外出し昼食。この期に及んで願掛けじゃありませんが、たまたま見かけた牛カツ屋で牛カツを食べました。そのおいしさは、後になって考えると、これが勝利に導いてくれたと思うほど。ちなみに夕食は、安易に何度も外に出るのも危険(?)なので、ルームサービスでカレーを頼みました。その際、ホテルの従業員さんから、「試験ですか?みなさん泊まっていらっしゃいますもんね。頑張ってくださいね!」とエールを頂き、試験前日の緊張の中、ちょっぴり勇気づけられました。

 

試験当日。まず入り口の消毒液で手指を消毒。会場に入ると、スタッフも受験生も全員がマスクをしているという異様な光景でした。息苦しいからと、ちょっとでもマスクを外そうものなら、「マスクは外さないでください!」と注意が入るというピリピリした空気の中、試験開始。午前中の問題では、偶然にも直前に業者さんに質問した内容や、前の週に行った講演会で話題に出た内容がまさに出題され、一瞬、幸運の女神の微笑みを感じました。それで緊張がゆるんだせいか、尿意を催し、気恥ずかしさを抑えつつ手を挙げてトイレへ。スッキリした後は無難に午前の試験を終えました。この調子で午後も!と意気込むも、午後の問題の方が難しく(例年そうみたいですが)、ややトーンダウン。まあ、午前で稼いだから大丈夫だろうと、落ち込むこともなく、手応えを感じつつ終了。

 

結果は同日17時過ぎ頃には発表されていました。長内先生に無事通過した旨をご報告。一緒に受験した北大の先生方も全員筆記を通過したと聞き、みんなで夕食を摂り、お互い励ましあいながら、明日の口頭試問へ備えました。ビールは…1杯だけ。

19時頃には口頭試問の時間割が発表となりました。自分は翌28日、3番目のグループ。例年通り北海道勢が初めの方にまとめられているようで、北大の先生とも一緒だったので、精神的に非常に心強かったです。(自分の方がずっと先輩なのに…笑)

口頭試問はA関門(症例に関する問題)→B関門(手技・器材に関する問題)→C関門(人体モデルを使用した実技)で構成されています。過去の体験記を見ると、試験官との相性によって穏やかに進むか地獄を見るかが決まるというので、もう前日からキングエンジン発動。(知らないですよね…ワンパンマン。)

 

口頭試験当日。早めに行って少しでも勉強しようと思ったら、不正を防ぐため控室でも通信機器類は一切使用不可。全て資料をスマホに入れてきた自分はこの時点で終わってしまいましたが、幸い一緒の時間の北大の先生に資料を貸していただき、助かりました。

口頭試問は、ここでも幸運の女神に助けられ、とても穏やかな感じで進行しました。最初緊張し、だいぶ噛み倒しましたが、試験官の先生から軽くツッコミが入ると、それで逆に緊張が解け、以後スムーズに答えることができました。

試験では23か所のちょっとしたやらかしがあり、若干不安になりましたが、他ができてる、そんなことで落ちはしない、と自分を慰め、予備日の翌日は有馬温泉で試験での肉体的・精神的疲労を回復しました。

 

最終結果は3/1の夕方に発表となり、無事全員が合格。喜びというよりは、ほっとした、という方が正直なところかもしれません。所属病院や北大からここまでのご支援を頂いての試験だったので、一発合格できなければ合わせる顔がない、と思っていたので。今年の合格率は筆記試験が74.9%、口頭実技試験が59.7%total47.9%と、相変わらずの敷居の高さですが、北大からの受験者は100%の合格で、北大ではそれだけハイレベルの指導を受けられるということの証明になったことと思います。

今後脳血管内治療専門医の取得をお考えの先生はもちろんのこと、開頭手術専門の先生や、血管障害以外のご専門の先生方、研修医の先生方などなど、ぜひともみなさんで血管内治療専門医取得に向けて頑張りましょう!私のように、頭の柔軟な若者でなくても努力次第で必ず合格できます。定期的にハンズオンなども行っているのでご参加ください。医学生でご興味をお持ちの方等のご参加もお待ちしております。

 

最後に、今回の試験でお世話になった北大の先生方をはじめ、症例を経験させて頂いた病院の先生方、業者さんや器材メーカーの方々、そしてバックアップしてくださった函館中央病院の先生方、様々な方々のお陰で合格できたことを深く感謝致します。本当にありがとうござました。

 

今井 哲秋