基礎研究
Basic Research
もやもや病の発症素因遺伝子と病態修飾因子の解明
私たち北海道大学脳神経外科では、もやもや病の疾患概念が確立する頃から、 原因の探索・診断法・治療法の確立を目指して診療・研究を続けてきました。 特に日本人や韓国人など東アジア人におけるもやもや病発症の背景には、 17番染色体長腕に位置するもやもや病の疾患感受性遺伝子RNF213の変異が色濃く関わっているという、 世界的に見ても画期的な発見があり、現在は10年が経過したところです。 長年にわたるもやもや病の患者さんの診療経験をもとに、研究の趣旨にご賛同いただける患者さんやご家族のご協力を得ながら、 臨床的情報を体系的に収集記録分析し、血液をはじめとする生体試料から、 遺伝子ゲノム情報、遺伝子配列によらないエピゲノム情報、タンパク質発現の情報解析を推進しています。 これにより、もやもや病の発症素因遺伝子と病態修飾因子を解明して、病気の根本的な治療開発を目指しています。(2021年7月)
当教室では、もやもや病の病態解明ならびに診断・治療の向上を目的として、長年にわたり診療と研究を継続し、多くの成果を挙げてきました。2011年には疾患感受性遺伝子RNF213が同定され、本遺伝子と病態や予後などとの関連が明らかとなり、将来的な個別化医療への応用が期待されています。この分野において、当教室からも多数の独自の研究成果を発信しています。 また当教室は国内有数の症例数を有しており、バイオバンクと連携して患者検体を活用した研究を継続しています。iPS細胞を用いた病態研究をはじめ、ゲノム解析やエピゲノム解析などの先端的研究に加え、海外研究機関との国際共同研究にも積極的に取り組んでいます。これらの基礎研究や橋渡し研究を通じて、もやもや病の発症機序や病態修飾因子の解明を進め、将来的な新規診断法や治療法の開発につなげることを目指し、現在も複数の研究プロジェクトを並行して推進しています。




