研究概要
脳血管障害、脳腫瘍、脊髄/機能外科の3部門において、それぞれ基礎研究、臨床研究を行っています。脳血管障害については、脳梗塞に対して、急性期での複数の脳保護療法、亜急性期~慢性期での自己骨髄間質細胞移植による再生治療の開発を行い、一部は臨床への橋渡し研究が進行しています(下段のRAINBOW project、COOL IVR study)。また、脳動脈瘤の破裂メカニズムの解明のために3D画像、病理、動物モデルの解析を統合した研究を行っています。もやもや病に関しては、下段のレジストリ構築・生体試料バンキング研究の他、MRIでの脳ネットワーク解析、新規バイオマーカー探索、さらにはiPS細胞を用いた病態発生メカニズム解明の研究を行っています。血管内治療領域では新たな塞栓物質の開発、地域医療システム構築のための研究を行っています。脳腫瘍については、神経膠腫に対して、遺伝子解析の成果を基にした新たな分子分類の構築を目指す研究、また光線・音響力学を利用した新規的治療法の研究を行っています。また、iPS細胞を用いた疾患特的腫瘍モデルの確立を目指す研究にも着手しています。臨床面では、メチオニンPETを用いた放射線壊死と腫瘍再発の鑑別のための研究、小児脳腫瘍の陽子線治療の研究、個別化医療に向けた脳腫瘍バイオバンクの研究を行っています。脊髄/機能外科については、外科的治療が困難な脊髄癒着性くも膜炎の動物モデルを作成し、骨髄間質細胞による神経保護効果、抗炎症効果を検討する研究を行っています。また、脳深部刺激療法後に生じる高次脳機能変化について臨床心理検査と機能画像検査を組み合わせて解析する研究を行っています。