北海道大学 大学院医学研究院 脳神経外科

留学体験記

内野晴登 米国スタンフォード大学

2019年08月13日

2019年8月
留学開始から1年4ヶ月が経過しました。スタンフォードは快晴が続いています。こちらの生活にも、だいぶ慣 れ、幸い大きなトラブルなく過ごせています。ハロウィンやクリスマスなど、こちらの季節ごとのイベントも 一通り経験しました。3歳の長女も普段は日本人の友だちと遊んでいますが、毎日現地のプレスクールに通っ ているため、時々英単語を話すようになりました。1年いると、当初いた日本人の方々も帰国し、また新たな 方が次々と来られていますが、多くの方にお世話になりながら生活しています。
研究の方は、1年以上経過して、当初の計画の微修正を繰り返しながら、ようやくデータを出す準備ができて きたというところです。時間がかかることや、技術的に難しいことが多くありますが、うまくいくことを祈っ て日々実験を繰り返しています。言語の問題で、遠回りしていることもあると思いますが、何とかやっていま す。ラボのメンバーは、メディカルスクールやPhDコースに行ったり、自分のラボを持ったりと、割と頻繁に 異動がありますが、不思議とどこからか、すぐに新しい人が来て、人材の流動性・多様性が保たれています。 中国人とインド人の比率が少しずつ上昇していますが、先日、長崎大学からも先生が来られ、日本人は2人と なりました。中国からも同年代の脳外科の先生が基礎研究を学びに来られていますが、1年の滞在期間があと 少しで終了するため、もやもや病iPS細胞を使った研究で何とかデータをだそうと実験を重ねています。Dr. Steinbergは、今なお毎週数件のバイパス手術をこなし、相変わらずとても忙しいようです。
時間のある週末や連休の際には、車で行ける範囲で、様々な定番の観光地を巡ってきました。特に国立公園は 日本とはスケールが全く異なり、別世界です。比較的、近隣にあるヨセミテは、すでに何度も訪れました。一 方、近くの町で開催されていたアメリカ最大というフードフェスティバルを先日、見てきましたが、その翌日 に銃乱射事件があり、複数の死傷者が出て、日本でも報道されていました。スタンフォード周辺の治安の良さ に慣れてきていましたが、残りの期間、改めて安全に留意して生活したいと思います。

(左上)実験室の様子(右上)メンバー集合写真
(左下)ヨセミテ国立公園Tenaya lake
(右下)満月の夜に見られるヨセミテ滝の”Moonbow”

2018年8月
2018年3月末に、1年過ごした富山から、家族とともに米国に移り、カリフォルニア州スタンフォード大学 Steinberg研究室でポスドクとして留学生活を開始しました。今回の留学にあたって、今年度は上原記念 財団、来年度は日本学術振興会の海外留学助成を獲得することができました。これら留学助成では、1) invitation letter、推薦状、2)これまでの研究内容・業績、3)留学先での研究計画、などが申請 に必要になります。特に3)については、早い段階で具体的な研究計画について留学先と相談しておく必要 があるため、申請の敷居を高くしていると思います。今回、申請前に研究室とやりとしをした際は、前任の 伊東雅基先生に、その後の研究や生活のセットアップも含め、多大なサポートをいただきました。
スタンフォード大学はシリコンバレーの中心地にあり、キャンパスは33㎢と広大(北海道大学キャンパスの 約20倍)で、歴史的建造物のほか、スタジアム、レストラン・カフェ・ショップなどがあり、観光客も多く訪 れます(写真1)。スタンフォード近辺は、自然が多く、閑静な高級住宅地区が広がっており、治安も良いと 思われます。さらに周辺には車で行ける距離に、サンフランシスコ、サンノゼなどの都市や、国立公園など、 観光スポットも多くあります(写真2)。物価、特に家賃が異常なまでに高いことを除くと、スタンフォードの 研究者のほか、企業駐在の日本人家族も多くおり、家族にとっても非常に生活しやすい場所だと感じます。

写真1
(左)ランドマークの1つであるHoover tower
(右上)Ovalとよばれる芝生エリア
(右下)Stanford Memorial Church

写真2
(左上)Big Surと呼ばれるカリフォルニア太平洋岸海岸線
(右上)サンノゼの夕日
(左下)サンフランシスコ ツインピークスからの夜景
(右下)Napaワイナリ

Steinberg研究室は、脳梗塞を対象とした幹細胞移植研究チームと光刺激研究+もやもや病研究チームの2つに 別れており、多数のプロジェクトが並行して進められています。それぞれのチームのsenior scientistの他、 ポスドク、脳外科レジデント、リサーチアシスタントなど、計15名程度が在籍しています(写真3)。日本人は 私一人ですが、各研究者の出身国はアメリカ以外に中国、インド、ブラジル、ロシア、オランダなど様々です。

(写真3)研究室メンバーの集合写真

私は光刺激チームに属し、マウス脳梗塞モデルを用いた研究と、もやもや病の生体試料を用いた研究に参加させて いただいています。毎週、Steinberg教授のもと、ラボメンバーでresearch meeting/journal clubがある他、 個人的には、mentorであるsenior scientistやSteinberg教授とのindividual meetingで定期的に研究の 進捗状況などについて話します。現在、自分より若いレジデントやリサーチアシスタントに、脳梗塞モデルの手術や、 ファイバー埋め込みの定位手術を教わっている最中です。実験は、まだ初期段階ですが、海外での貴重な研究機会を 活かし、よい成果が出るよう努力したいと思います。

茂木 洋晃 インド・サクラワールドホスピタル

2018年08月17日

ナマスカラ !(カンナダ語で「こんにちは」)
7月から半年間の予定でインドのバンガロール SAKRA WORLD HOSPITAL へ臨床留 学中の茂木です。渡航して 1 か月、安否も含めてご報告いたします。
7月11日に出発し、夜中に到着すると SAKRA の駐在員である尾形さんが迎えに来てくれていました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、SAKRAはセコムと豊田通商が共同出資で運営している病院で、日本人駐在員の方が8名おられ、日々助けて頂いております。
「自分もいつかはインドで医療を」と考えている方の参考にもなると思いますので、まずは生活環境から報告させて頂きます。
【住居】
病院から8kmほど離れたホテルへの滞在となります。キッチン、居間もついており、一人暮らしには立派すぎるお部屋での生活です。ここは駐在の方も住んでおられ、たまにホテル飲み会が開催され、孤独感なく滞在可能です。
レストランではサリーを着た女性が出迎えてくれます。食事はビュッフェ形式の朝食があり、朝からカレー食べ放題で、こちらに来てから体重が増加してしまいました・・・
(ちなみに日本食もあります)

【移動】
インドの交通状況は、想像を超えるカオスぶりで、バイク・リクシャ・人・犬・牛!が縦横無尽に横切る、 逆走する、など外国人が運転するのは自殺(他殺)行為と言えます。SAKRAのご厚意で運転手を付けて頂いており 日々通勤しています。経済・人口とも成長著しいバンガロールでは、インフラが追いついておらず、毎日が渋滞です。

【勤務】
Dr.Satish、Dr.Swaroopを筆頭に、Spine fellow、
Neurosurgery fellow が二人ずつ、研修医が3名と多くの同僚に囲まれて勤務しています。

新保 大輔 米国・クリーブランドクリニック

2018年03月06日

2018年1月3日からアメリカ、オハイオ州の北西にあるCleveland Clinicで臨床研究目的に留学させてい ただいております。渡米してすでに2ヶ月以上が経過しました。以外にも(?)Cleveland Clinicで リサーチをしている日本人研究者は多く、いろいとお話させていただいて刺激を受けております。Clevelandは 緯度としてはだいたい札幌と同じくらいです。ここ数年は暖冬が続いており札幌よりも暖かいことを期待しておりましたが、 私の日頃の行いが悪いのか、渡米してまもなくマイナス15から20度くらいの日が続きました。どうせならこの酷寒の時期に、 ということで近くのエリー湖に行ってみましたが、カメラのシャッターを押す指が10秒程度で凍りついて早々に撤退しました(図1左)。 しかし、降雪量は少なく降ってもこちらでは塩をまいて徹底的に除雪をするので、道路が凍ることはありません。 冬は曇りの日がほとんどで、鬱々とした気分になりますが。たまに晴れたときには病院の駐車場から青空をバックにダウンタウンのビルが綺麗に見えて、頑張ろうという気分になれます(図1右)。
さて前置きがながくなりましたが、こちらでのリサーチについてです。私が所属しているのはCerebrovascular Center というところで、脳卒中内科医と脳卒中外科医が所属している部署になります。Mobile Stroke Treatment Unit (MSTU 図3) という簡単に言うとCTを搭載した大きな救急車を使用して、脳卒中患者さんに対する病院到着前の治療prehospital treatmentを 積極的に行っております。私のリサーチはようやくスタートしたばかりですが、脳卒中内科チームのボスであるKen Uchino先生の 指導のもとにこのMSTUを使用した脳卒中患者さんの臨床データを収集、解析することがメインとなっております。
英語でのコミュニケーションが上手くいかなかったり、生活でのマイナートラブルがあったり、天気も悪かったりします。 ただそういったことも合わせて、リサーチ、プライベート共に留学生活をenjoyしております。このような機会を与えていただいたことに 本当に感謝しつつ、これからもこちらでの研究に邁進したいと思います。

左:酷寒のエリー湖。−20℃です。右:病院の駐車場から見た晴れた日のClevelandの青空とダウンタウン。

Ken Uchino先生と一緒にMSTU前での写真

金子 貞洋 ドイツ・ミュンスター医科大学

2018年02月16日

2017年10月にドイツへの留学に行かせていただき、あっという間に4か月半が経過し少しずつ生活も落ち着いてまいりましたので近況報告させていただきます。

現在私が所属しているUKM(Universitätsklinikum Münster)は「ミュンヘン」ではなく「ミュンスター」という市の医科大学になります。このミュンスターは北ドイツにあたり北緯は樺太島の北部という位置になり、現在(2月中旬)も日の出は8時ころという暗い朝を迎えております。

私は脳神経外科のStummer教授から低悪性度グリオーマと高悪性度グリオーマ、それぞれの研究課題を頂き日々精進しております。

ドイツの多くの方は英語も堪能で、ドイツでも自らの英語能力の低さに悩まされています。しかし、イタリア語やフランス語を自在に操るドイツ人(もはやヨーロッパ人でしょうか)にあこがれ、自分もドイツ語の勉強をしなければと家ではビール片手にドイツ語入門を開いてはあきらめるといった生産性のない夜を繰り返しております。

図1.冬はとても寒いですが、札幌では比較的身近なクリスマス市(マーケット)を楽しむことができます。

図2・3. Stummer教授をはじめ脳外科のメンバーとソーセージや豚肉料理とビールを楽しみました。

本当にビールは水より安いです。

栗栖 宏多 米国・カリフォルニア大学(UCSF)

2017年06月06日

栗栖 宏多 先生

2010 7/6

渡米し約1年が経過しました。生活・仕事もようやく落ち着き、何とかやっております。

今回は、先日行われたローカルな研究会に参加してきましたのでご報告とさせていただきます。 本研究会はカリフォルニア大学サンフランシスコ校内の神経学講座が主催するLocalな研究会で、 ResidentやPost docがポスター発表し最後に重鎮の先生にご講演いただく形式(地方会みたい?)で行われました。 タコスありアルコールありの会で楽しく参加できましたが、やはり米国のレジデントやFacultyからの質問へは思うように返答できず英語力のなさを痛感した次第です。

仕事以外では最近マラソンの自己記録を亢進し、どこに向かって走っているのかわかりませんが、自分なりに満足しております。 写真はマラソン大会の写真で、中には何故か(何らかの思想の表現なのでしょうか?)女性の中を裸で走っているような輩も目撃できます。
このような環境で自由に研究させていただけることに感謝しつつ、日々を大切にして精進して行こうと思います。

2016/12

渡米し、’あっ’ いう間に半年ほど経過してしまいました。CaliforniaではTrump shockの余韻も残る中、近況報告をさせて頂きます。

(左)VA medical center外観。

(右)研究室裏からの景色。このように天気がよいと(稀ですが)Golden gate bridgeや対岸の景色が拝めます。

現在私が留学している研究室は、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)のキャンパスの一つのVA Medical centerにある研究室で、 BossのMidori A Yenari教授を筆頭に、4人のlab memberで構成されています(過去には穂刈先生、川堀先生も在籍されておられました)。場所は、 サンフランシスコの西端で、ダウンタウンの街明かりやWest coastのSunshineとは一線を画した霧と緑に囲まれた荘厳な環境にあります(下図)。
当研究室はこれまで脳虚血と神経炎症に関連したテーマを扱って来ており、最近では虚血後炎症による細胞貪食作用とその神経保護効果にfocusされています。 私もこのプロジェクトの一端を担う予定ではありますが、現在はそのための準備段階といったところでしょうか(汗)。
サンフランシスコでの生活の方は、多数の日本人留学生などとの家族ぐるみでの交流やサポートもあり、だいぶ慣れてまいりました。 英語力がなかなか向上しないのが気がかりではありますが、子供達の異文化への適応力に感心し家族ともども充実した日々を過ごしております。